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恭子「そろそろ鍋の季節も終わりやなぁ」
真佑子「そういえば私、今シーズン食べてなかったかもしれません、お鍋」
やえ「今年って白菜高かったもんなぁ」
恭子「今週末うちで鍋やる? 大きめの土鍋あんで」
真佑子「土鍋って……末原先輩一人暮らしでしたよね? なんでそんなものを?」
恭子「宴会用やな、普段の料理ではほとんど使わんし」
やえ「そういえばあれっていつ買ったの? 大学一年の頃は持ってなかったわよね」
恭子「あれなぁ、一年の冬に友達が持ってきたまま置いてったんやけど」
真佑子「鍋を?」
恭子「鍋を」
やえ「どういう状況なのよ……」
恭子「いやそいつ突然『鍋食いたい』って言い出してな、土鍋なんかない言うたらいきなり無印で買うてきて」
やえ「どんだけ鍋食べたかったのよそいつ」
真佑子「鍋を買う(そのものを)」
やえ「その友達ってあれでしょ、愛宕でしょ?」
恭子「ん? よう分かったな、この話したことあったっけか?」
真佑子「愛宕って……愛宕洋榎プロのことですか」
やえ「いや聞いてはないけど、そんなアホなことするような友達っていったら大概アイツでしょ」
恭子「はは、強く言い返せへんな」
真佑子「末原先輩と愛宕プロが同じ高校だったのは存じてますが、小走先輩ともお知り合いだったんですか?」
やえ「ええまぁ、あいつ結構有名だし」
恭子「高校時代に結構練習試合したことあんねん」
真佑子「あ、そういえば同じ関西でしたね」
恭子「こいつと洋榎、表面上は穏やかに対戦してても内面ムキになって喧嘩みたいに対局しててなぁ」
やえ「あっちがムキになってるだけでしょ!」
恭子「な?」
真佑子「小走先輩、同い年の強い人と打つ時だいたいそんな感じですもんね!」
やえ「あ゛あ゛ん゛!?」
真佑子「ぴいっ!?」 ガガーン
恭子「女子大学生が出しちゃいけない声出とるぞ」
真佑子「愛宕プロって結構末原先輩のお部屋に遊びに来られるんですか?」
恭子「ん? ああ、まぁたまにな、アポなしで突然やけど」
やえ「あんた一回ガツンと言わないとアイツちゃんと分からないわよ」
恭子「まぁ別に迷惑って訳でもないし……」
やえ「あんたねぇ……」
恭子「家に居らへんくて二時間玄関に放置してた事とかあったし」
真佑子「普通に酷い」
やえ「アポなしって言っても流石にその時くらいは連絡来てたんじゃないの?」
恭子「授業中で出るの面倒やったからな、携帯無視して帰ったら玄関先でさめざめ泣いてた」
やえ「普通に酷い」
恭子「流石に悪かったと思ったんやけどなぁ、そのあと鍋作ってやったら機嫌が一瞬で直って困惑したわ」
やえ「どんだけ鍋食べたかったのよそいつ」