~ 前書き ~

このSSはカケマックスという企画にて誕生したコンビ【土下座最高金賞】の完成作品になります。
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相方はゆうひさんです。マジかよ最高じゃん!

お題は「丹羽菜緒子がアイドルを目指すSS」
そうです、シノハユSSです。
単行本派の方はキャラが分からないかもしれません。ごめんね。

それでは以下どうぞ。



【真IDOL SPIRITS ニワチョコ地獄変】

niwa



― 東京駅 ―

菜緒子「知代子、お待たせ」

知代子「あら、意外と早かったわね」

菜緒子「いや、新幹線の時間は教えていたでしょう……」

知代子「菜緒子なら東京駅で迷ってくれるんじゃないかとほのかに期待して!」

菜緒子「ほのかに期待って普通ポジティブな方向に期待するものではなかったかしら」

知代子「とりあえず喫茶店にでも入りましょうか?」

菜緒子「相変わらず人の話を聞かない子ね……」




菜緒子「今日は世話をかけるわね」

知代子「え? 急にどうかしたの?」

菜緒子「東京でオーディションがあるからって、いきなり会いたいなんて言ってしまって」

知代子「まぁ突然連絡が来たときは驚いたけれども……まさかあなたがアイドルになりたいだなんて」

菜緒子「本番の前にちょっと落ち着く時間が欲しかったんだけど……東京の知り合いってあなたくらいだから」

知代子「私と一緒にいて落ち着くとか少し疲れているのではないだろうか?」

菜緒子「わかりにくい自虐はツッコミにくいから止めなさい」




知代子「……ねぇ、差支えなければお聞かせ願いたいのだけど、なんでアイドルになろうと思ったの?」

菜緒子「あなた、アイドルは好き?」

知代子「うん、大好きさ☆」

菜緒子「……じゃあ、瑞原はやりって知ってる?」

知代子「いや流石に知らなかったらモグリでしょう、色々と……」

菜緒子「瑞原はやり……私達と同い年で、次期牌のお姉さんの呼び声高い人気沸騰中のアイドル」

知代子「”あの子”と同じ学校なんでしょ、確か」

菜緒子「ええ、もちろん麻雀の実力も、高校麻雀界トップクラス」

知代子「こう言っちゃなんだけど、ちょっと色々と盛り過ぎてて無敵すぎるわよね」

菜緒子「……いくら自分が残念だからってアイドルをパッド呼ばわりは流石に虚しいわよ」

知代子「あらやだ思ってもみない角度で刺してくるこの子」




知代子「で、そのはやりんがどうかしたの?」

菜緒子「……この間会ったのよ」

知代子「……え、なんで? どこで?」

菜緒子「私もインハイではそれなり程度には注目選手だから……取材を受けた時に隣にいたの」

知代子「サインもらった?」

菜緒子「色紙を用意していったわ」

知代子「思った以上にファンだった」




知代子「そのはやりんとあなたがアイドルになりたがってる事にどんな関係が?」

菜緒子「話してみて分かったんだけど………普通の子だったの」

知代子「……はぁ?」

菜緒子「アイドルも麻雀も両立して、さぞ凄い子なんだろうと思ったんだけど……」

知代子「………」

菜緒子「自分とは違う凄い子だから……そんなこと思っていた自分がなんだか恥ずかしくなって」

知代子「……普通の子だなんて失望しました、はやりんのファンやめます」

菜緒子「なぜ!? 頑張ってる所が最高じゃないの!? 控えめに言って天使だったわよ!?」

知代子「おおおおおネタにマジレスするほどっスか!?」




菜緒子「まぁそれでね、私も少しでも上のステージに行きたくて……オーディションを受けようと思ったの」

知代子「なるほどね……」

菜緒子「別に彼女みたいになりたいわけではないけれど……自分の理想へ一歩、踏み出す切っ掛けになった」

知代子「ふーん……理想って?」

菜緒子「ああ、いずれわかるわ、いずれね……だから、教えない」

知代子「……ま、私は何はなくとも、その姿を心から応援するものですけれども」

菜緒子「……ありがとう、高橋」

知代子「苗字」




知代子「でも、菜緒子がアイドルかぁ、なんだか冷めてるというか、あまりグイグイ行くタイプじゃないと思ってたわ」

菜緒子「……私だって直したいとは思ってるのよ、そういう所は」

知代子「若干気にし過ぎてる感はあると思うけど……人の言うことすぐ真に受けるし」

知代子「私はてっきり 『可愛いしアイドルいけるって』 とか誰かの口車にまた乗せられて応募したのかと」

菜緒子「……………」

知代子「…………ん?」

菜緒子「……………」

知代子「……………」

菜緒子「……あの子たちには内緒にして」

知代子「後で議事録まわしておくから確認してね」

菜緒子「やめなさい!! やめて!!」