※咲-Saki- 本編3年後の二次創作SSです
※大学に進学した面々がガヤガヤするやつです
※登場人物など詳細についてはアバウトをどうぞ

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塞「そういえばさ」

胡桃「なに?」

塞「歌舞伎とかって開演のときに『とざーい』って言うじゃない? あれってどういう意味なんだろ」

久「ああ、あれは『東西』のことで、客席の端から端の方々までご注目ください、っていう意味なのよ」

胡桃「北と南はいいの?」

久「劇場が東西の道に面していたから席も東西に広がってた、っていうのがあるみたいね」

塞「へぇー、知らなかった」

白望「南北の通りに面してたら『なんぼーく』だったのかな」

久「そこはかとなく間抜けに聞こえるわねそれ……」



胡桃「歌舞伎と言えばあの隈取ってちょっとかっこいいよね!」

塞「えー? ちょっと厚化粧っていうか、なんか表現過剰な感じしない?」

久「それでいいのよ、あれは役柄のイメージを引き立たせるためのものだから」

胡桃「ああ、それで力強い役には赤とか黒の線がたくさん入ってるんだ」

久「そうそう、あれって筋肉とか浮き出た血管とかをイメージしてるらしいわよ」

塞「なんだろ、そう言われるとちょっと逞しいイメージに思えてくるなぁ……」

白望「塞は昔から無駄に乙女だから筋肉とかそういうの大好きだよね」

久「あー」

胡桃「乙女って筋肉とか好きなものなの……?」

塞「無駄にもなにも普通に乙女なんだけど!?」



胡桃「というかなんで歌舞伎の話になったの?」

塞「いやぁ、昨日の夕方に部屋のテレビで歌舞伎がやってたから、つい気になっちゃって」

久「女子大生らしからぬ番組のセレクトね……」

塞「チャンネルを回してたまたまそこに止まっただけだから!」

胡桃「……チャンネルを『回す』って?」

久「昔、テレビがダイヤル式で、回してチャンネルを変えてた時代の名残りね」

白望「……塞、おばさん臭い」

塞「いや違うから! 親がそうやって使ってたのが移っただけだし!」

白望「昭和乙女」

久「やったじゃない! 大正ロマンよりは時代が後よ!」

塞「何の慰めにもなってないよ!?」



塞「ぐぬぬ、じゃあ逆に聞くけど、みんなはどういう番組観るの?」

胡桃「私は動物ものかなぁ、CSのアニマルプ○ネットしか観ないかも」

久「……え?観るのってア○マルプラネットだけ?」

胡桃「だけ」

白望「そんなの観てたんだ……」

胡桃「ニュースとかももちろん観るけど、暇なときはアニ○ラが鉄板かな」

塞「まぁ面白いのは分かるけど、バラエティが動物ものオンリーは流石に」

久「二人とも知らなかったの?」

胡桃「私がアニプ○観るのは、基本的に一人でいるときの暇つぶしだから」

塞「そりゃ知らないわけだ」

白望「……そういえば、そもそも胡桃の部屋に入ったことがない」

胡桃「それはシロが出不精だからでしょ!」

久「ああ、確かに白望が自分の部屋に遊びに来るっていう光景が思い浮かばないわね」

白望「……ダル」

塞(そもそも他の子が居るときは皆リビングに集まるから行く機会ないのもあるけどね……)



久「白望は何か観たりするの?」

白望「……私は、そもそもテレビをあまり観ないから」

塞「ああ、確かに」

久「リモコンを探したりするのが面倒とか?」

胡桃「いや、それよりテレビを観るという行為そのものが面倒とかじゃない?」

白望「うん」

久「想像を一段階超えていく面倒臭がりだったわ……」

白望「だって、ダルい」

久「それ万能すぎてほんとずるいから」