まこ「なんじゃ久」
久「11/1は寿司の日らしいわよ」
まこ「おお、ごちそうさん」
久「…………いや奢らないわよ」
まこ「おかしいのぉ、どう考えても奢る流れじゃったが」
久「やだ、まこったら流れ論者だったのね」
まこ「否定はせんが、少なくともかの悪名高い悪待ち悪魔に言われたぁないわ」
久「悪って三回も言った! 三回も! あのやずやでさえ二回なのに!」
まこ「なぜ引き合いにやずやを」
久「というか、悪待ち悪魔の語感は正直嫌いじゃないけど、変な異名広めるのやめてくれないかしら……」
まこ「ちゅうてもな、言い出したんは別にわしじゃないんじゃが……」
久「じゃ誰?」
まこ「さぁのう、リーグの公式戦で手酷くやられた大学とかかの」
久「あら、それならむしろ光栄……と言っていいのかしら……?」
まこ「別にそういうイメージが先行してくれるのは悪いことじゃなかろ?」
久「うん、まぁ、ね…… それで自分の打ち方を崩してくれるなら儲けものだし」
まこ「あんたは清澄の元部長としてそれなりに有名なんもあるけぇ、それを逆手にとって弄ぶくらい余裕じゃろ」
久「弄ぶとか…… その言い方だと私完全に悪女じゃない、傷つくわー」 シクシク
まこ「かかか」
久「笑ってないで少しは否定しなさい!」
まこ「ちゅうか、こういうイメージが浸透したんは多分に自業自得と思うんじゃがな」
久「言わないでよ…… インハイで戦うにはああやって印象付けするのが手っ取り早かったんだから」
まこ「ま、少なくともウチの部のメンバーはあんたの事ぁようけ分かっとる、悪評が広まろうが関係ないわ」
久「それについて疑ってはいないけど」
まこ「なんじゃ、仲間からの信頼だけじゃ物足りんか?」
久「そもそも一番私のことをよく分かってるはずのまこがこのネタで一番弄ってくる事案については」
まこ「寿司奢ってくれたらもう言わんぞ」
久「悪質すぎでしょ……」
まこ「かかか」
まこ「まぁ寿司云々は冗談じゃが…… 部長ならもっと堂々としんさい、それこそ清濁併せ呑むくらいにな」
久「はっ、そんなの当然でしょ、こういうイメージがあったらあったで最大限利用しなきゃ損だもの」
まこ「ん、それでこそじゃ」
久「…………」
まこ「……? なんじゃ?」
久「……いや、そういえば高校の時もそんなノリでやってた結果が現状なんだなって思っちゃって…………」
まこ「…………」
久「…………」
まこ「…………」
久「…………」
まこ「……うちで手巻き寿司でもやるか?」
久「本気で慰めにかからないでよ!?」