明華「ほう、続けてください」
花子「なんだろうね、やっぱり青は高貴な色、すなわち私にふさわしいという方程式が成り立つんだろね」
明華「なるほど、とてもよく分かります、やはり選ばれるべくして選ばれたというわけですね」
花子「ノブレス・オブリージュ的なね」
明華「勝つのが義務という訳ですね」
ソフィア「……なに話してるんだかあのお馬鹿たちは」
絃「あ、あはは……」
花子「お馬鹿とはなんだねソフィ、私たちの真面目な考察に茶々を入れるなんて」
明華「高貴な心を忘れてはいけませんよ」
ソフィア「真面目要素なんて欠片もなかっただろ」
花子「いやだって牌の色がさ」
絃「それだったら青に統一する?」
花子「えっ」
明華「えっ」
ソフィア「えっ」
絃「そうと決まれば予算を組まなくちゃね、とりあえず顧問の先生に押印をもらってこなくちゃ」
花子「ちょ、ちょっとまって、実はそこまで真面目に言ってたわけじゃないかなーって」
明華「そっ、そこまでお金をかけてまでやるようなことでは」
ソフィア「日和るの早すぎるだろお前ら」
絃「冗談だってば」
絃「でも実際のところ、牌の絵柄が薄れてるのがあるから、買い換えたいなと思ってたんだ」
ソフィア「あ、そうだったんだ」
明華「そういうものってバラで売っているのではないですか?」
絃「うん、売ってはいるんだけど、ひとつだけ新しいものにしてもガン牌みたいになっちゃうから」
花子「ああ、それはまぁ目立つかなぁ」
絃「だから牌だけ一セットまるごと買っちゃってもいいかなって」
ソフィア「結構長いこと使ってたからなぁ、最後に入れ替えたのってうちらが入学した直後くらいだっけ」
花子「そだね、一番古いのなんか何年前からあるかわかんないし」
明華「け、けっこう昔からあったのですねアレ」
花子「そう、先輩方の血と汗と涙と手垢がしみこんだ備品なのさ」
ソフィア「その言い方だとなんか汚いんだが」
絃「汚いと言えば一緒においてあるトランプとかもけっこう……」
花子「そう、先輩方の血と汗と涙と手垢がしみこんだ備品なのさ」
ソフィア「あれ大富豪にしか使ってないんだけど血とか出る要素なくないか……?」
明華「甘いですよソフィ、大富豪ほど血で血を洗うという慣用句が似合う競技もそうありません」
ソフィア「何言ってんだ麻雀の留学生」
絃「次の突発部内戦こそは負けないからね花ちゃん……!」
ソフィア「霜崎ィ!? っていうか部内戦ってなんだよいつそんなのやってたんだよ麻雀部で!?」
花子「拗ねないでよ、次はソフィが居る時にやるからさ」
ソフィア「そういうことを言ってんじゃないんだよ麻雀をしろォ!」