※咲-Saki- 本編3年後の二次創作SSです
※大学に進学した面々がガヤガヤするやつです
※登場人物などについてはキャラ一覧をどうぞ

satoha


恭子「なぁ、辻垣内にずっと聞きたかったことあってんけど」

智葉「なんだ、藪から棒に」

恭子「ああいや、大したことないんやけど、その黒いジャケットな、肩から掛けてるやんか」

智葉「ああ、これか? 今日は寒かったからな、羽織るものがほしいと思って着てきた」

恭子「えっと、そのな?」

智葉「なんだ、言いよどむんじゃない、らしくないぞ」

恭子「……なんでわざわざ上着を肩に掛けてるん? 普通に袖通して着たらええやんか」

智葉「……………………」

恭子「……辻垣内?」

智葉「…………いや、なんでだろうな?」

恭子「軽いな!? 亡き友人に誓ってとかそういう拘りの理由とか無いんか!?」

智葉「お前それドラマとかの観すぎだぞ」

恭子「なんでこっちが諭されるみたいな流れになってるん?」




智葉「そもそもなんでそういう話になったんだ?」

恭子「いや、高校時代から制服の上着肩掛けしとったやんか、自分」

智葉「ん、なんで高校時代のことなんて知ってるんだ?」

恭子「インハイの会場で臨海の制服を肩掛けにしたところを目撃して、その印象が強くてなぁ」

智葉「ああ、会場で見てたのか、試合の時は上着脱いでたはずだしな」

恭子「あの野暮ったいメガネおさげスタイルしてへんかったしな、いや誰やねんって感じやったわ」

智葉「なぁこれ馬鹿にされてるやつなのか?」

恭子「あの時目撃した君の名は。的な」

智葉「時にはHAYARIに流されればボケても許される訳ではないんだぞ?」




恭子「ところでそのジャケット男物やんな、そういうのが趣味なん?」

智葉「まぁ趣味というほどのものではないんだがな、取り回しがいい上着なので愛用している」

恭子「かっこええやん、似合うとるわ」

智葉「そうか、ありがとう」

恭子「これは学校の男も女も放っておかんな、とてもモテる匂いがする」

智葉「別にモテるために着ているわけではないし、というかなぜ女もなんだ、おかしくないか」

恭子「あれ、知らんかったん? 辻垣内ファンクラブの会員は大半が女の子やで」

智葉「……ちょっと待て初耳だぞ、なんだそのファンクラブとかいう悪の秘密結社は」

恭子「発起人かつ会長は学校長のおばさんやったかな、確か」

智葉「…………お前は入ってないよな?」

恭子「入るわけないやん」

智葉「それは良かったと言わざるを得ないが、胸を張って言われるのもなんだか複雑だな」

恭子「多治比の奴は会員番号一桁らしいけど」

智葉「多治比ィ!?」