rokuro


淡「おーい、またのせんぱーい、なにやっ……て、るの……?」

誠子「ん? 見ての通りだけど」 コネコネ

淡「…………エアーろくろを回しながらこねているようにしか見えないんだけど……」

誠子「これはあれだ、インタビューを受けた時の練習を脳内でしてたんだ」

淡「え、せんぱいインタビュー受けるの?」

誠子「いや、今のところ特に予定はないけど」

淡「えええ……エアインタビューとか、流石の私もドン引きだよ……」

誠子「ばっか、可能性はゼロじゃないだろ、練習しとくに越したことはないし」

淡「そんな練習するくらいならインタビュー受けられるように実力を磨くのが先だと思うんだけど」

誠子「と言っても、『月刊 釣り名人』に掲載されるには、大物が釣れるかどうか運次第な所があるからなぁ」

淡「インタビューって釣りの話かー! 麻雀じゃなかったかー!」




誠子「それで、どうしたんだ、何か用でもあったのか?」

淡「あ、そうだ、タカミーせんぱいがお茶にするから一緒にどう? って」

誠子「お、そういえばもうおやつの時間か、分かった、行くからちょっと待って」

淡(時間を忘れるくらい熱中して練習してたんだ……)

誠子「よし、行こうか、いま尭深たち部室にいるのか?」

淡「さあ? お菓子買いに行くって言ってたから、たぶんまだ外にいるんじゃない?」

誠子「この暑いのに外にいったのか……」

淡「『お茶菓子がないお茶はイーピンがない麻雀も同じ』ってタカミー言って出てったよ」

誠子「いまいち重要性が伝わりにくい比喩だなそれ」

淡「そしたらテルーが『わかる、何なら三元牌が欠けてるくらいまである』って乗っかってた」

誠子「いやーさっぱり意味が分からない、流石尭深と宮永先輩は違うな」

淡「さっきのエアインタビューとかいう奇行を見るに亦野せんぱいも相当アレだと思うけど……」

誠子「勝利のイメージは大事だろ?」

淡「ソウダネ」




誠子「弘世先輩は?」

淡「しらなーい」

誠子「あれ、虎姫の部屋に居なかったのか?」

淡「うん」

誠子「なんだろ、ほかの部室か、寮にでも居たのかな」

淡「まぁ、居ないんだったら居ないでしょうがないんじゃないかな」

誠子「尭深が買ってくるであろうお菓子はどうしようか」

淡「居ない人の分など残しておく理由がなーい!」

誠子「だよな、そういうと思った」

淡「一理あるよね?」

誠子「むしろ残しておく理由がないな」

淡「よし! スミレがもう部室に来られないよう靴ひもがブッチブチになる呪いかけてやる!」 ユンユンユン

誠子「なんだそれ地味にひどい」

菫「……誰の靴ひもがなんだって?」

淡「……………………」

誠子「……………………」




菫「どうした二人とも? 付け合せのミックスベジタブルを見るような目で私を見て」

誠子「……先輩いままでどちらにいらしたんですか? 部室には居なかったらしいんですが」

菫「ああ、ちょっと監督に呼ばれていてな、もう終わったから今から部室に向かうところだ」

誠子「そうだったんですか、お疲れ様です」

菫「で、何を残していてもしょうがないって?」

淡「ねぇスミレ! さっきまたのせんぱいが『怠け者に食わせるお菓子はねぇ!』ってドヤ顔で言ってたよ!」

誠子「お前こそ『先輩の靴紐、今季絶望レベルに断裂しろ』とか言ってただろ!」

菫「秒でなすりつけ合うな! 言っておくが最初から全部聞いてたんだからなお前ら!」