胡桃「鼻歌まで歌って、なんだかテンション高いね」
久「ん~? 理由聞きたい?」 ニヤニヤ
胡桃「なんだろう、その得意顔を見てたらだんだん聞きたくなくなってきたかも」
久「しょうがないわね、それじゃ教えてあげるけど」
胡桃「いや、いいよ、やめとく」
久「それじゃ教えてあげるけど」
胡桃「……………………いや、いいよ」
久「そこはお約束的に根負けして聞いてくれる流れじゃないの!?」
胡桃「で、どうかしたの?」
久「ふふ、結局付き合ってくれる胡桃って本当にいい子ね」 ナデナデ
胡桃「同い年でしょ! 子ども扱いやめる!」 プンプン
久「えーとね、ほら、もうすぐインカレの予選始まるじゃない?」
胡桃「……そうだね、私たちも最後の年だし今年こそ日本リーグ行きたいけど」
久「それで、やっとインカレという舞台で私たちの集大成が見せられると思うとなんか楽しくなってきてね」
胡桃「あ、それ知ってる、プレッシャーに押しつぶされそうになったときの空元気ってやつだよ」
久「なんで冗談半分に聞いてる感じだったのに的確に私の状態を見抜いてアドバイス出来るのよ!」
胡桃「逆切れうるさい!」
久「うう、もうすぐインカレ…… マジ震えてきやがった……怖いです……」
胡桃「もうすぐって言ってもまだ予選まで一か月以上あるんだけど……」
久「もう一か月しかない、よ! インカレは待ってはくれないのよ!」
胡桃「必死すぎるよ」
久「打ったら戻る、真ん中へ……打ったら戻る、真ん中へ……」 ブツブツ
胡桃「まぁ久が普段飄々としてる裏で意外と気にしいっていうのは知ってるけども、ちょっと重症だね……」
久「そうは言うがな大佐」
胡桃「誰が大佐だ!」
久「……胡桃は不安にならないの?」
胡桃「ん? 不安だよ、あたりまえじゃない」
久「……部長がこんなことじゃダメね、結局高校の時から一つも成長してないのかしら」
胡桃「それじゃあ問題ないんじゃない?」
久「え、どうして? どういうこと?」
胡桃「だって、久が高校の時と一緒ってことはさ」
久「…………うん」
胡桃「つまり、全国制覇できるってことでしょ?」
久「…………うん」
胡桃「つまり、全国制覇できるってことでしょ?」
久「えっ?」
胡桃「ほら、なんの問題もない」
久「………………くっ、くふふ、あっはははは!そ、そうね! 確かにその通りだわ!」
胡桃「どう、安心した?」
久「ふふふ、そうね、なんだか肩の力抜けちゃった」
胡桃「それは良かった」
久「……頑張りましょうね」
胡桃「ま、不安に思ったらいつでも相談していいよ! 適度に突き放してあげるから!」
久「頑張ってる部長をもうちょっと甘やかしてくれてもいいのよ?」
胡桃「それはまこに任せるよ」
久「…………まこも大概私に小言を言ってくる方だと思うんだけど……」
胡桃「いや、あれは心配の裏返しでつい言っちゃってるだけだから! 大丈夫!」
久「うっふっふ、知ってる~♪」
胡桃「ってドヤ顔で言ってたよ」
まこ「あんた本気でアホなんじゃな」
久「自分で心配の裏返しとか言っといて報告するのは裏切りなんじゃない鹿倉さん!?」