菫「………」(PCカタカタ
恭子「………」(PCカタカタ
菫「……ここの牌譜、印刷した奴どこにある?」
恭子「あ、それ亦野が持ち帰って勉強する言うとったわ」
菫「ほう、熱心だな」
恭子「釣りしとる間ヒマらしいからな」
菫「…………潮風でしけったりしそうだな」
恭子「まぁ別にええんちゃう、ダメになってもどうせ印刷できるんやし」
菫「牌譜がダメになったら作り直すのはデータを管理してる人なんだが」
恭子「亦野あいつボコそう」
菫「落ち着けデータ管理人」
菫「ところでお前は今なにやってるんだ?」
恭子「ん? 来週からのランキング戦のトナメ表作っとる」
菫「ああ、あれか」
恭子「インカレ前最後のランキング戦やからな、今期こそ皆殺しにしたるわ」
菫「さっきからお前の言動がやたら物騒なのはなんなんだ?」
恭子「…………もうインカレ始まるんやな」
菫「そうだな、なんだかんだもう最後の大会だ、その後はアマチュア引退だ」
恭子「辻垣内とか小走なんかはプロになるんやろけど、弘世はどうなん?」
菫「私か? どうだかな、指名されたら考える」
恭子「そうか、ちなみに私はここまでにするつもりやで」
菫「…………お前」
恭子「ま、そういう訳で個人的な希望としては、最後の大会くらいは悔いなく勝って終わりたいとこやな」
菫「ふ、何を言い出すかと思えば、今までと変わらんだろ、入学した時から全国制覇しか考えてないくせに」
恭子「いや、入学した頃はもっとこう、大学デビューしたいなーとか考えてた気ぃするわ」
菫「台無しだよ」
菫「ま、私にとっても最後の公式戦になるかもしれないんだ、元より全力で挑むことに変わりはないさ」
恭子「それでええよ、いつも通りやって、いつも通り勝ってくれ」
菫「当然だ、至極当たり前のように勝ってみせるさ」
恭子「ん」
菫「…………本当にプロにならないのか?」
恭子「そもそも指名されんし」
菫「いや絶対そんなことないだろ、私が指名されるんならお前だってされるぞ多分」
恭子「はぁ? プレイヤーとして特に何の特徴もない打ち手やで、もしうちがスカウトやったら絶対なしやわ」
菫「いや、お前はたぶん指名される、このカシオミニを賭けてもいい」
恭子「なんで突然電卓を取り出したん……?」
菫「さぁ、どうなんだ」
恭子「わかったわかった、もし仮に指名なんてされたらなんでも言う事聞いたるわ」
菫「よし、言質は取った、首を洗って震えて待て」
恭子「なんか今日はグイグイくるんやけどなんなん?」
菫「これは末原をプロにするためにますます負けるわけにはいかなくなったな」
恭子「なんでこいつかつて無いほどにやる気出しとるんや……」
~ 翌日 ~
菫「…………という訳だ、お前たち! インカレで絶対に負けるなよ! いいな!」
菫「…………という訳だ、お前たち! インカレで絶対に負けるなよ! いいな!」
真佑子「そういう事なら仕方ありませんね! ぜっっっっっっったいに全国制覇です!」
数絵「魔法☆雀士 すえはらキョーコの伝説はここから始まる!」
誠子「ヒャッハー!」
ハオ「さすがに気分が高揚します」
恭子「あ、わかった、こいつらアホなんや」
やえ「最後の最後で今さら気付いたの?」
智葉「まぁ結果的には変わらないだろ、優勝するだけだ」
恭子「いや、確かに、確かにそうなんやけど…… 優勝はするんやけど……」
誠子「とりあえずドラフトの記者会見に備えて、今からオーダーメイドでドレスを注文しましょう!」
数絵「菫さんのアルバイト先と相談して衣装の調達先を紹介してもらいましょうよ!」
ハオ「では私はステッキを調達してきますね!」
真佑子「魔法少女ですもんね! 魔法のステッキはやっぱり必須ですよねー!」
真佑子「魔法少女ですもんね! 魔法のステッキはやっぱり必須ですよねー!」
恭子「………………なんでやろ、なんか軽率に人生のレール踏み間違えた気がふつふつとしてきた」
やえ「あきらめなさい」
恭子「………………どないしよ……」