白望「流石にないと思う」
塞「え、ちょ、どうしたの二人とも」
星夏「あっ、聞いてくださいよ臼沢先輩! 小瀬川先輩の保護者でしょ!」
塞「保護者ではないけど話は聞くから」
星夏「チ○ンラーメンって牛乳で作ると美味しいですよね!?」
塞「流石にないと思う」
星夏「なんで!?」
星夏「チキン○ーメンはお湯で作るもの! そういう固定概念に囚われてるんじゃないですか?」
白望「そもそもチキンラー○ンを食べたこと自体が数えるくらいしかないよ」
塞「ああ、まぁそうかも」
星夏「ええ……もしかして岩手って日本じゃないんですか?」
塞「日本と日本以外の組み分けがおおざっぱすぎない?」
星夏「そんな体たらくでは創業者安藤百福が浮かばれませんよ!」
塞「誰だかわからんけど幸せそうな名前してる」
白望「小瀬川白望は劔谷高校の元部長安福莉子さんを応援しています」
塞「誰!?」
塞「じゃあそこまで言うんなら食べてみる? 噂の牛乳チキ○ラーメンとやらをさ」
白望「ええ……買いに行くとかダルい」
星夏「あ、チキ○ーなら竹井部長が巣にため込んだ食料の中にありましたよ」 ガサガサ
塞「……また久は私物ため込みスペースを作ってるんだ…………」
星夏「まぁまぁ、そのおかげでこうしておこぼれにあずかれたわけですから」
白望「ひ、久だけそんなもの作ってたなんて……ズルい……!!」
塞「羨むな」
星夏「あ、別の棚に牛乳もありましたよ! 誰のか分かりませんが丁度いいですね!」
塞「それは捨てなさい」
白望「……常温保存はちょっと」
白望「ホットミルクって電子レンジで作れるんだね」
塞「湯葉みたいなのできちゃうけどね」
星夏「コンビニにもありますけどね」
白望「それ以上いけない」
塞「……さて、そろそろ三分経つ?」
星夏「まだ30秒待ってくださいよ」
白望「……なんだかんだですっごい楽しんでるように見えるよ塞」
塞「え、ま、まぁそうかもね、実はけっこう気になってる、味」
星夏「ふふ、おいしそうな匂いが漂ってまいりましたよ!」
塞「そろそろでしょ? フタ開けるよ?」
星夏「え、いいんですか? 塞がなくて?」
白望「塞だけに?」
塞「名前の弄り方が雑だよ…… ふた、オープン!」 パカッ
白望「…………」
塞「…………」
星夏「…………おお……」
白望「……塞どうぞ」
塞「いやシロ行きなよ、見た目もシロだしさ」
星夏「見た目は確かにちょっとですけどね、結構美味しいんですよクリーミーで……はいどうぞ」
白望「……ありがとう (小椀なんてこの部室のどこにあったんだろう)」
塞「い、イタダキマース……」 ズルズル
白望「…………あ、結構美味しい……かも」 ズルズル
塞「あー、うん、結構いける、なんかとろみがないシチューみたいな感じする」 スープゴクゴク
星夏「でしょ? まぁたまに食べるなら結構アリって感じですね」 ズルズル
塞「うーん、割とアリかもねこれ……残りの牛乳と○キンラーメン全部使っちゃおうか」
星夏「異議ナーシ!」
― 数日後 ―
久「私のチキ○ー食べたの誰!? 折角トマトジュースとタバスコでチリトマトにしようと思ってたのに!」
まこ「まぁた食べもん持ち込んどったんかい!! ちゅうかなんじゃその異界レシピ!?」
星夏「チリトマト派に食べさせるチキラ○などありはしません! 我々チャウダー派が全て美味しく頂きましたよ!」
まこ「そもそも部室に食べもん置いとくなァ!!!」
白望「ちゃうねん」 ユカニセイザー
塞「……ちゃうねん」 ユカニセイザー