七実「だからさ、ここで対面が七筒ぶん投げてるってことは、上家のリーチを嫌がって面子崩したわけだから」
泉「ええ、なんでそんなんまで分かるんすか……」
絹恵「相手が攻めてきてる時はともかく、オリる相手をケアするところまでは行きませんよ普通は……」
七実「あえてそこを狙って追い討ちが決まると『麻雀って楽しいよね!』ってなる」
泉「悪魔かなにか?」
絹恵「どっかで聞いたことあるフレーズやなそれ……」
浩子「…………」
泉「……」 チラッ
絹恵「……」 コクン
泉「……そろそろ夕方ですね、お開きにしてご飯でも行きません?」
七実「ん、そうだねー、私にしては思いもかけず熱心に指導しちゃったよ」
絹恵「普段からこれくらいちゃんと教えてもらえると嬉しいんやけどなぁ」
七実「まぁ指導してるといいつつ、ちゃんと絹ちゃんのおっぱいもガン見してたんだけど」
泉「『ちゃんと』とは一体……」
絹恵「やけに私の手牌見てくる思たらそれですか……」
浩子「…………」
七実「ははは、あ、ねー浩子、ご飯食べに行こうよ、今日はなんかお肉的なものが食べたい」
浩子「えっ、あ、ああ、はい、それじゃ近くのお店を……」
泉「あ、それじゃ私がこの間見つけたすっごい美味しいお店があるんですけど、そこにしません?」
絹恵「へー、なんてお店なん?」
泉「藤白亭っていうお店なんですけどね」
七実「それウチじゃない?」
泉「近所に惣菜で有名なお肉屋さんがあるみたいなんですよね」
七実「いやだからそれウチじゃない? ウチに買って帰るコースじゃない?」
浩子「そういやしばらくお邪魔してませんでしたし、ええですね、行きましょうか」
七実「え、いや、お、おう」
― 藤白亭(アパート) ―
浩子「こんなに買わへんでもよかったんちゃいます?」 ガサガサ
七実「まぁまぁ、余ったら私が食べるから」
泉「へー! 外観で見た感じ、ええ部屋に住んではりますね藤白先輩!」
七実「まぁ? それほどでも? ないんですけどね!!??」 ドッヤアアァァァ
浩子「うわドヤ顔うっざ」
七実「ねぇ浩子って私のこと嫌い?」
絹恵(むしろ好きなほうやと思うんやけど)
泉(ああいうイジリって身内にしかやりませんもんね)
七実「むう、ナマイキ浩子め…… ほら、さっさとリビングに荷物持ってってー」 ガチャ
浩子「ああ、はい、お邪魔します…… こっちのドアですよね?」
七実「そうそう」
浩子「よいしょ…… なんで絹ちゃんと泉は玄関で待機しとぅ?」
泉「いやいやいや」
絹恵「まぁまぁまぁ」
浩子「答えになってへんやん……」 トビラガチャー
那岐・宥・怜・憧・友香
「「「「「せーの、 船久保浩子さん! お誕生日! おめでとーーーーう!!!!!!」」」」」 クラッカーパパーン!!
浩子「………………」
浩子「………………」 ポカーン
那岐・宥・怜・憧・友香
「「「「「………………」」」」」
七実・絹恵・泉
「「「………………」」」
浩子「………………………………は?」 ポカーン
怜「ふふふ、流石のフナQ先輩も面食らっとるみたいやな?」
宥「サプライズ成功だね~」 アッタカーイ
七実「いやー苦労したよ? 演技で浩子をウチまでおびき寄せる大役さぁ」
泉「いや藤白先輩は完全に素だったでしょ」
浩子「…………なるほど、そういうことですか」
絹恵「ごめんなロコちゃん、パーティのことは秘密でってきつく言われててん」
友香「フナQセンパイ、おめでーす!」 ガバッ
浩子「ちょ、森垣いきなり抱きつくな! あんまりデカぁないとはいえ!」
友香「んみー!」 ベタベタ
浩子「ベタベタすな!」
那岐「いつもありがとう船久保、少し乱暴だったが……このパーティは私たちの感謝と友情の証だ」
憧「那岐さん…… クサい台詞似合いますね……」
那岐「いやクサいのが似合うって…… 褒めてるのかそれ……?」
浩子「…………あ、ありがとう、ございま、す」
怜「顔真っ赤やでー、フナQ」 ニヤニヤ
七実「浩子ってば部室にいる時から誕生日のこと気にしてたからねー」 ニヤニヤ
浩子「な、ちょ、気付いて……!」
絹恵「あー、まぁ私らずっとロコちゃんの様子を伺っとったからなぁ」
浩子「ぐっ…… 一生の不覚や……」
那岐「ははは、まぁまぁ、せっかくのパーティなんだ、はやく皆で乾杯しよう」
浩子「…………ふふ、そうですね」
友香「んむーー!」 ベタベタ
浩子「…………」
友香「んー!」 ベタベタ
浩子「…………いやお前はいつまでひっつきよんねん!」
友香「んー! んー!」 ベタベタ