※咲-Saki- 本編後の二次創作SSです
※みゆたんイェイ~
※劔谷日和はよ


jinnja



― 芦屋神社 鳥居前 ―

莉子「あ、古塚先輩、あけましておめでとうございます」

梢「おめでとうございます安福さん、早いですね」

莉子「えへへ、ずっと楽しみにしてたので待ち遠しくて、居てもたってもいられなくてー」

梢「ですがまだ集合30分前ですよ」

莉子「先輩だって早いです」

梢「わ、私は、その、部長として早めに」

莉子「今の部長は依藤先輩ですよ」

梢「…………」

莉子「…………」

梢「……私も、楽しみだったので」

莉子「ふふっ、そうですかー」



梢「今の麻雀部はどうですか? みんなきちんと練習できていれば良いのですが」

莉子「みんな張り切ってますよ、全国のリベンジをするんだって」

梢「後輩に夢の続きを追わせてしまうような真似をさせて、申し訳ありません」

莉子「そんな、むしろインハイで迷惑をかけてしまったのは私の方で」

梢「……安福さんと森垣さんには特に謝らせてください、責任を押し付ける形になってしまって」

莉子「……?」

友香「謝る? 何をデスか?」

梢「っと、森垣さん、来ていたんですか、あけましておめでとうございます」

美幸「私も居るよー」

莉子「椿野先輩、友香ちゃん、あけましておめでとうございます」

友香「おめでーす」

美幸(私の口癖と違って応用効いていいなぁ)



美幸「あとは現部長だけかぁ、まったく部長なのに何やってるのよもー」

莉子「まぁ、まだ集合時間前ですし」

澄子「お、お揃いのところ遅れてしまってすみません、あけましておめでとうございます」

友香「あ、依藤先輩おめでーす!」

梢「おめでとうございます、依藤さんが最後だなんて珍しいですね」

澄子「う、実は車が渋滞につかまってしまいまして」

莉子「ああ、そういえばなんだか駅前近くで事故があったらしいですねー」

美幸「元日に事故とは迷惑というか、運がない人だなぁ、もー」

友香「可哀想デス……」

美幸「えと、後ろに付け加えられると私の心なんか汚い感じになるし、今のやりとり無しにしていいかな?」

澄子「椿野先輩も相変わらずですね……」



友香「それで、なにを謝るんですか古塚センパイ?」

梢「副将と大将に一年生のお二人をオーダーしてしまったことです」

美幸「…………」

澄子「……でも、それは一年含めて、部員みんなで話し合って決めたことで」

梢「だからと言って、最終的に決定し、勝敗のプレッシャーを一年生に全て押し付けたのは私です」

莉子「……言わせて頂きますが」

友香「莉子ちゃん?」

莉子「あのインハイで、私は負けて泣いてしまいました」

莉子「ですが、それは自らのふがいなさに対してで、プレッシャーとは関係がありません」

澄子「…………」

莉子「私は一年生である前に、劔谷高校というチームの一員として、精一杯戦っていたつもりでした」

梢「…………」

莉子「……古塚部長は、私たちの事を信じて、一緒に戦ってくれていたのではなかったのですか?」

美幸「そうだね梢ちゃん、責任を感じるのはいいけど、仲間を信じてないのかって話にもなるし」

梢「……すみません、どうやらプレッシャーを感じていたのは私の方だったようですね」ニコッ

友香「……え、あ、えっと、よく分かんないけど、元気出してくださいセンパイ!」

澄子「森垣さん、ちょっといま良い所だから、甘酒飲んでよう?」ホカホカ

友香「え、あ、はい」チビチビ



美幸「さ、無事和解したところで、さっさと並ぶよ、もー」

澄子「そうですね、そろそろ行列が長くなってきましたし」

友香「さ、行きましょ、古塚センパイ!」

梢「ふふ、ありがとうございます、行きましょうか」

莉子「しかし、本殿までどのくらい並ぶでしょうか」

澄子「うーん、並んでるって言っても、30分も並べば大丈夫なんじゃないでしょうか」

梢「では、並んでる間に別の用事を先に済ませてしまいましょう」

莉子「あ、そうですね」

美幸「ん、用事って?」

友香「ああ!」

澄子「ふふ、椿野先輩、お誕生日おめでとうございます! これ皆からのプレゼントです!」

美幸「!!??? えっ、えっ?」

友香「アレ? 美幸センパイのbirthdayって今日じゃなかったんでー?」

美幸「あ、ああ! そう! わ、私の誕生日! 1月1日! ありがとう!」

梢「なぜ入部したての頃の森垣さんみたいな片言に」

友香「それ私のやつデスよ! 取らないでー!」

澄子「うん、怒るポイントが良く分からないかな」



美幸「えー! あー! 嬉しいよもー! プレゼント開けていい?」

澄子「どうぞ、包装はこの袋に入れてください」

莉子「テンションが凄い勢いで振り切れてますね……」

梢「一応、私達4人で選んだプレゼントということで、受け取ってください」

美幸「……えーっと、あ、手袋!? 可愛い! 着けてみるね!」

友香「センパイなんかこの間会った時に寒そうにしてたから、こういうのが良いんじゃって思って!」

美幸「うふふ、ありがとうー、大切に使うよ、もー! もー!」バシバシ

友香「ちょ、センパ、待っ、痛っ」

美幸「私は手袋のおかげで痛くないんだなー」ニコニコ

澄子「違いますよね色々と」

梢「大切に、大切に使うとは一体」



梢「とか言ってる間にもうそろそろ参拝の順番ですね、小銭を準備しましょう」

莉子「ここに5円玉を入れて、神様にお願いをするんだよ友香ちゃん」

澄子「お祈りは二礼二拍一礼っていう順番でするのがお作法ですよ」

友香「え、う、あ、えーっと」

梢「まぁ、多少間違えた所で神様もうるさく言ったりはしないでしょうし、私達の真似をしてみてください」

友香「は、はい、分かりましたー」

チャリチャリーン

パンパン

パンパン

梢「………………」

美幸「………………」

澄子「………………」

莉子「………………」

友香「………………」

梢「……さ、終わったら次の人に替わって脇に避けて」

友香「はーい」



美幸「皆何をお願いした?」

澄子「私は部長として、全国制覇を願いました」

莉子「私はまず、レギュラーを取るところかな……」

梢「ふふ、それにはまず人事を尽くすところからですよ」

莉子「はい、精進します……」

友香「私は、皆が元気で居られますようにってお願いしたんでー」

澄子「先輩方は何をお願いしたんですか?」

美幸「えー? 私は……」

梢「もちろん、劔谷の優勝ですよ、皆さん、頑張ってくださいね」ニコッ

美幸「………………」

莉子「椿野先輩?」

美幸「……うん、もちろんお願いしたよ? 劔谷の優勝を」

澄子「先輩、目が凄い勢いでクロールしてます先輩」

梢「別に個人的なお願いをしたからって隠す事ないでしょう」

美幸「だって! 梢ちゃんが部長の器を見せつけた後のタイミングで言いにくいよ!」

莉子「なんだか、その言い訳がもうなんか」

澄子「しっ、椿野先輩今日誕生日なんだから」

美幸「聞こえてるよ! もーーーー!!!」