※てるてる世代こと三年生が引退した直後くらいのお話です
カランカラン
浩子「どうも、お疲れさんです」
恭子「待たせてたか、すまんすまん」
浩子「いえ大丈夫ですよ、ホンマに美味しかったんで、この喫茶店のケーキ」
恭子「………………わかった、奢ったる」
浩子「いやぁ、なんや催促したみたいで悪いですわぁ」
恭子「相変わらずええ性格しとるわ……」
恭子「それで早速やけどこれ、頼まれてたデータな」 つUSBメモリ
浩子「おお、ありがとうございます」
恭子「今年の大会で活躍した一年と二年の特徴、簡単にまとめたやつでしかないけど入れてあるから」
浩子「いやー、ホンマ助かります」
恭子「アンタにとっては既知の情報ばかりやと思うけどな」
浩子「既知でも、他の人の視点からの考察があるのが何よりありがたいんです」
恭子「そか」
浩子「それに、あの末原恭子の考察データとか、高校麻雀関係者が金を払ってでも欲しがる情報ですよ」
恭子「…………その割にはここの喫茶店の会計、うちなんやけどな……」
浩子「まぁそれとこれとは別の話やから」
恭子「メゲるわ……」
浩子「あ、このチーズケーキ美味しかったですよ」
恭子「聞いてへんわ」
浩子「にしても」
恭子「ん?」
浩子「今更ですけどこんなの貰っちゃって良かったんです? こっちしか得してない気ぃするんですけど」
恭子「まぁ、地区が違う以上、全国の情報は教え合ったとしても別に不都合はそこまで無いやろ」
浩子「いやあるでしょ」
恭子「…………まぁ実際の所、まったくの打算抜きでやっとる訳でもないしな?」
浩子「……ほう?」
恭子「ここだけの話、こうやってアンタに恩を売っておくとな」
浩子「おくと?」
恭子「なんと現在ブレーン役が絶賛不足中の姫松へ、足長おばさんからデータが届くことになっとるんや」
浩子「…………色々言いたいことあるんですけど、とりあえず誰がおばさんやねん」
恭子「ツッコミどころはそこでええの?」
浩子「ええ……アリなんですかそれ」
恭子「いやーなんにも? うちは誰から助けが届くとは具体的には言うてへんし?」
浩子「うわーすっとぼけとるわこの人」
恭子「ま、かの船久保浩子の考察データとか、金を払ってでも得る価値があるからな」
浩子「……はぁ、まんまと餌に食いついてしまった、言うことですか」
恭子「まぁまぁ、とりあえずそのデータ見てもらって、その出来具合で判断してもらったらええよ」
浩子「…………えらい自信がおありのようで」
恭子「そらもう、本気も本気で作った資料やからな」
浩子「ふむ、それはそれは」
恭子「可愛いイトコ のためでもあることやし、頼むわ、な?」
浩子「勝負にそういうのは無しですが…… まぁ、ちょっとは考えておきますよ」
恭子「ありがとな、こう言ったらあれやけど、あんまり期待しないで待ってるわ」
浩子「万が一絹ちゃんに情報を渡すってなった時は、末原さんのお節介のおかげや言うときますわ」
恭子「……それはちょっと恥ずかしいから止めてくれへんかな?」
浩子「いやー、後輩想いの先輩がいて、絹ちゃんも漫ちゃんも幸せやなー」
恭子「わっざとらしい棒読みやめーや!」